ホームお知らせ一覧

出資者インタビューシリーズ vol3 . 「荻原さんの話を聞く時、心が安らぐんですよ。」 ~ユナイテッド株式会社 代表取締役社長 兼 執行役員 早川与規氏が語る、投資家として見たロケットスターの本質~ 

2026/7/6

お知らせ

出資者インタビューシリーズ vol3 . 「荻原さんの話を聞く時、心が安らぐんですよ。」 ~ユナイテッド株式会社 代表取締役社長 兼 執行役員 早川与規氏が語る、投資家として見たロケットスターの本質~ 


ユナイテッド株式会社は、投資事業そのものを本業とする東証グロース上場企業だ。代表取締役社長の早川与規氏は、2013年から10年以上にわたりベンチャー投資で業界平均を大きく上回る実績を積んできた、文字通りの投資のプロである。その早川氏が独自に掲げる投資哲学が「善進投資」だ。少子高齢化や都市一極集中といった日本の社会課題を新たなビジネスチャンスとして捉え、社会課題の解決と収益性の両立を追求するスタートアップにリードで投資する。単なるリターン追求ではなく、社会をより良い方向へ進める事業に賭ける、という構造だ。

そんな早川氏が、金融トラックレコードを持たないロケットスターへの出資を決めた理由は何か。1号ファンドの実績をどう評価し、事業承継市場にどんな可能性を見るのか。投資のプロとして、そして経営者として、率直な言葉で語っていただいた。


スピーカー 早川 与規(はやかわ・とものり)

ユナイテッド株式会社 代表取締役社長 兼 執行役員。早稲田大学政治経済学部卒業後、1992年株式会社博報堂入社。1998年米国シラキュース大学経営大学院に私費留学。1999年株式会社サイバーエージェント常務取締役、2000年より同社取締役副社長兼COO。2004年株式会社インタースパイアを設立。2012年、モーションビート株式会社と合併しユナイテッド株式会社代表取締役会長CEOに就任。2020年6月より現職。投資事業・教育事業・アドテク事業を展開する東証グロース上場企業を率いる。新潟県加茂市出身。

インタビュアー 荻原 猛(おぎわら・たけし)

2000年にオプト入社。2009年にソウルドアウト株式会社を創業し代表取締役社長に就任。地方中小企業のデジタルマーケティング支援を事業の柱に据え、2019年東証一部(現:東証プライム)上場。2022年 博報堂DYホールディングスによるTOBにより、同社グループへ売却。2023年、50歳で三度目の起業となる株式会社ロケットスターを設立。サーチファンド型PEを運営し、事業承継の円滑化と中小企業の持続的成長に取り組む。起業・失敗・M&A・上場・売却・PMIの一連を経験した経営者。


■ 「善進投資」の視点で選ばれたファンド

 

荻原:

早川さんには、1号ファンドへのご出資にとどまらず、仲間のご紹介や私たちのサーチャーが主催するイベントへのご協力など、ロケットスター承継先企業の事業にも関わっていただきました。出資者として資金を入れるだけでなく、「この人に会わせたい」「この場に来てほしい」と実際に動いてくださる。ユナイテッドが掲げる「起業家と同じ視座で対等に議論できる存在」という哲学が、そのまま行動に出ているのだと感じています。今日は、投資家としての目線から、荻原猛とロケットスターをどう見ているのかを率直に聞かせてください。

 

早川:

特に大きな懸念ポイントはなかったですね。私としては、荻原さんがやられるということで、そこが一番大きかったです。

スタートアップ投資では、この人がどういう経営者に育つのかを想像しながら判断しなければならない。でも荻原さんの場合は、ソウルドアウトを創業し、上場させ、売却するまでのキャリアが全部見えている。実績も志もある経営者だ、ということが最初から分かっていた。

それと同時に、ロケットスターのやっていることが、私たちユナイテッドが掲げる「善進投資」の考え方と重なっていた。「善進投資」とは、少子高齢化や都市一極集中といった日本の社会課題を新たなビジネスチャンスとして捉え、社会課題の解決と収益性の両立を目指す事業に投資するという哲学です。後継者不在によって廃業の危機に立つ中小企業を、次の経営者が引き継いで発展させていく。これはまさに日本の構造的な社会課題への、事業性あるアプローチです。ロケットスターはその文脈に完全に乗っている。だから迷いはありませんでした。

荻原:

ありがとうございます。お寿司屋さんにご一緒させてもらった時に、私がサーチファンドという事業承継の構想について話をしていた際、早川さんも地方でやることへの思いを話してくださった。投資のプロの方がどう見るのかを率直に知りたくて、いろいろ語っていた記憶があります。あの夜に少し自信が持てた気がしています。

 

早川:

あの時から迷いはなかったですよ。ただ、出資の理由は荻原さん個人への信頼だけではなく、サーチファンドというモデル自体の意義もあります。経営者にはなりたいけれど起業するほどではない、という人に、本物の経営機会を渡す。これはとても大事なことで、そういう人の潜在能力を社会のために引き出すことが、善進投資の本質と重なっています。

 

■ 投資のプロが見る「若い起業家にはできない領域」

 

早川:

私の投資判断で一番大事にしているのは経営者と経営チームです。加えてどの領域でやるのか、そこでの差別化と独自性。ただ今は少し変わってきていて、かつてインターネット業界の黎明期はピボットするのが当たり前でしたよね。ホワイトスペースがいっぱいあったから、うまくいかなければ変えればいい。でも今の起業家はピボットができなくなっている。空きがないんです。どこかで差別化できそうだと踏み込んでも、隣にはすでに強力なプレーヤーがいる。インターネット創成期のように「ここが空いているからこっちでやろう」という選択肢が、もうほとんど残っていない。だからこそ、最初から正しい領域を選んで、そこで独自性を磨き続けるしかない。経営陣の見極めだけでなく、領域と差別化をより重視するのはそういう理由です。

ロケットスターが特に優れていると思うのは、これが若い起業家にはできない領域だという点です。事業を作って、上場させて、売却して、その経験値の上に立っていないとできない。経営の勘所、人の見極め、金融機関との交渉、PMI後の経営支援。これは年齢だけでも経験だけでも身につくものではなく、実際に会社を大きくして売却してきた人間だからこそ持てる視座です。金融出身者が作るPEファンドとは根本的に違う。それがロケットスターの本質的な強みだと私は思っています。

 

荻原:

ありがとうございます。金融のトラックレコードがない分、事業のトラックレコードで向き合っているという感覚で、自分では当たり前すぎて意識していなかったんですよね。

早川:

それで十分だと思います。むしろ、一を十にできる人の方が世の中にはずっとたくさんいる。ゼロから市場を作り、顧客を作り、商品を作っていくゼロイチ型の起業家は希少です。でも、すでに顧客も売上もオペレーションもある会社を引き継ぎ、代表取締役社長として経営を発展させていける人材は、実は企業の中にたくさん埋もれている。そういう人の潜在能力を解き放つ仕組みとして、サーチファンドは非常に意義があります。ポテンシャルを持ちながらも、機会がなかっただけの人が、代表取締役社長というポジションを与えられることで、初めて本来の力を発揮できる。経営者の育て方として、これほど合理的なモデルはなかなかないと思っています。

 

■ 思いと人間力を持った人が、地方の経営を変える

 

荻原:

早川さんは新潟県のご出身で、地元での農業法人の立ち上げや起業家支援など、地域に深く関わり続けていらっしゃいます。地方の中小企業や既存産業に、投資家として、また経営者としてどんな可能性を見ていますか。

 

早川:

地方の既存産業が、後継者不足によってもったいない形で消えていく可能性を、深刻な問題として見ています。外資系企業が優れた技術やブランドを持つ中小企業を取得していくような動きが進むと、日本の産業基盤が静かに失われていく。

一方でAIの時代になって、スタートアップにインターネット創成期ほどのチャンスがあるかというと、数という意味ではあの時ほどではないかもしれません。大きなプレーヤーが決まりつつある。だからこそ今あるものを引き継いで、思いと経営力を持って発展させていくことが、次の大きな事業機会です。

私の実家に近い燕三条地域には中小規模の製造業がたくさんあって、M&Aの打診も来ているのかなと想像します。

私が尊敬する山井太会長率いるスノーピークが、地元の金属加工技術をアウトドア用品に転用して世界的なブランドになったように、今あるものを磨き直して新しい領域に展開することが、地方発イノベーションの本質だと思っています。

M&Aで外部から来る経営者も様々だと思いますが、ただ左脳的にエクセルを眺めて数字だけで動かすのではなく、想いと人間力を持った人が選ばれる仕組みであることが大事です。地方の会社はシンプルに原理原則でやるだけで経営が良くなる余地がある。そこに、荻原さんのように事業を作り上げてきた経験のある人間が関わると、力を発揮できる場所になる。それがロケットスターのモデルの核心だと感じています。

■ 1号ファンドの実績を見て「心が安らぐ」

 

荻原:

先日、実績レポートをお届けしましたが、投資家として率直にどう評価されましたか。

 

早川:

IRRが目標をクリアしていて、素晴らしいと思いました。数字そのものもさることながら、私が注目したのは案件の質と多様性です。アパレル、人材、メディアと、複数の領域でサーチャーを当てて、ちゃんと全て数字で結果を出している。目利きが機能していることの証明です。

それと、投資委員会に金融バックグラウンドを持つ方を入れて規律を持って運営しているという点も評価しています。おそらく見送った案件も多いと思います。金融視点も入れて事業を見るからこそ適正価格で買収できている。

私はベンチャー投資事業に携わっているので、スタートアップが予定通りにいかないことがどれほど多いかを知っています。計画通りに進む方が珍しい。そういう経験があるからこそ、ロケットスターの報告を聞く時の安心感は格別なんです。実績のある経営者が、金融の規律を持って、真剣に向き合っている。荻原さんの話を聞くたびに心が安らぐ、というのは本音です(笑)。

 

■ 強みと課題、そして2号ファンドへの期待

 

荻原:

最後に、荻原猛・ロケットスターへの期待と、正直な注文を聞かせてください。

 

早川:

私から見た課題はほとんどなくて、あったとしても、ご自身で客観的に認識して修正されていくんだろうなという信頼があります。ロケットスターの話を聞くたびに心が安らぐというのは、そういう意味でもあります(笑)。

2号ファンドについては、大いに期待しています。良い機会ですのでぜひ一つ聞かせてください。ファンド規模が大きくなると、案件サイズも上げていかざるを得なくなるのではないかという声は多いと思います。スモールからミッドキャップへ、結局は他のPEと同じになるんじゃないか、と。荻原さんはどう考えていますか。

 

荻原:

そうですね、企業規模のサイズを上げることはしないです。中小企業という軸はぶらさないで承継して、何人もの社長を同時進行で走らせていく、というのが理想です。みんなが難しいと言うかもしれないけれど、私は中小企業の事業承継がやりたい訳ですし、ファンドサイズが上がってもやりたいことは変わらず。それが燃えるんです、なぜか(笑)。

 

早川:

難しいと言われると燃えるって起業家ですね(笑)。そこが荻原さんらしい。金融出身者には絶対に出てこない発想です。そういう人間がPEファンドをやっているということが、ロケットスターの本質的な差別化だと私は思っています。ぜひ証明し続けてほしいと思っています。

 

■ 編集後記

 

早川さんの語りで最も印象に残ったのは、「善進投資」という哲学でロケットスターを選んだという文脈でした。社会課題の解決と収益性の両立を追求するユナイテッドの投資哲学と、後継者不在の中小企業を次の経営者が引き継いで発展させるロケットスターの投資テーゼは、構造として重なっている。リターンだけではなく、日本社会への意義を問う投資家に選ばれているという事実は、ロケットスターが単なる投資ファンドではないことを示しています。

インタビューを終えた帰り際、早川さんがこんな言葉をかけてくださいました。「何かイベントを行う際はいつでも声かけてください。ビルの地下のイベントスペースも貸しますので」と。出資するだけでなく、承継先企業の業績向上のためにここまで動いてくださる。善進投資の哲学は、言葉だけではなく、こういう具体的な行動に表れています。

出資者LPの皆さまがポートフォリオ企業の成長に直接関与していく、そういうエコシステムがロケットスターの周りに育ちつつあることを、早川さんのこの言葉が教えてくれました。

ロケットスターはこれからも、金融と事業の二重の目利きで選び、事業力で育てるという投資哲学のもと、中小企業の経営グロースを実現していきます。

※本インタビューは2026年6月に実施しました。内容は本人確認のうえ掲載しています。

一覧に戻る

CONTACT

お問い合わせ

お気軽にお問い合わせください。

問い合わせする